2013年11月17日(日) 第1回 三重大学・皇學館大学合同シンポジウム「ご遷宮とまちづくり」 (徒歩)
朝から月讀宮、倭姫宮を巡り、神宮徴古館に立ち寄ってから到着したのが皇學館大学。
第1回 三重大学・皇學館大学合同シンポジウム「ご遷宮とまちづくり」が開催される会場へと向かった。
本シンポジウムの内容はこちら。
私がこのシンポジウムに興味を持ったのは講演者のひとりが千枝大志さんだったからだ。千枝さんは伊勢河崎商人館で行われていた古文書勉強会の先生で大変お世話になった。無償での熱心なご指導に感謝している。
千枝さんが本居宣長記念館から皇學館大学へ移られてからは勉強会でお会いする機会がほとんどなくなり、最後にお会いしたのはお白石持行事での偶然だった。
そのため、フライヤーで講演者名を拝見したら参加せずにはいられなくなった。テーマにも興味があったが・・・。(実はその前の週には、千枝さんが講師をつとめる古文書の講習会(皇學館大学 史料編纂所 平成25年度行事「古文書を読もう!」中世文書を読む)が開催されたが、都合があり参加できなかった。)
開始時刻の10分ほど前に会場に入った。
そして定刻になると皇學館大学の学長である清水潔さんの挨拶でシンポジウムは開始された。
続いて講演が開始、最初は待望の千枝さん、テーマは「戦国〜江戸初期における伊勢のまちとご遷宮」。
5種類の伊勢参詣曼荼羅(伊勢参詣を描いた庶民信仰絵画で、紙質は悪く読み捨てられるフリーペーパーのようなもの)をもとに空間認識の視点から16世紀前後のご遷宮と伊勢の町についての概要を語られた。最初は緊張されている感じだった・・
伊勢参詣曼荼羅は次の点が興味深かった。
- 神宮が赤く塗られている。
- 種類の異なる曼荼羅が同じ印刷所で刷られていると思われる。など
講演時間が30分と短かったのでできれば倍以上の時間をかけてじっくりと詳細に話を伺いたかった。
続いて、二人目の講演者は三重大学の浅野聡さん。伊勢のまちづくり計画策定の経験をもとに現代のまちづくりについて語られた。
浅野さんの話では、この伊勢市にもまちづくりのマスタープランがあることに気づかされた。冷静に考えれば役所はマスタープランを策定するだろう。しかし、それがどれだけ市民に浸透しているのだろうか? 今から十数年前には市民を巻き込んで伊勢のまちづくりが検討され、本「まちづくりブック 伊勢」としてまとめられたそうだ。(ただし、その本は絶版)
その時、取り組まれた市民の熱い思いは現在の計画にも組み込まれているのだろうが、その思いがどれだけの一般市民に知られているのだろう。知らなかった自分が悪いのだろうか?
今回の講演を契機に「まちづくり」、マスタープランに意識が向けられたので、少し勉強してみよう。
【参考】
二名による講演の後、皇學館大学の 岡野友彦さんがコメンテイターとして総括。
しばしの休憩の後、後半は三重大学の山田雄司さんが司会をし講演者と岡野さんによるディスカッションが展開された。テーマはシンポジウムのタイトルである「ご遷宮とまちづくり」。ディスカッションの内容が記憶に薄いのはなぜだろう・・?
話は変わって、会場の前方にはスーツ姿の参加者が多かった。
そして、最後は本シンポジウムの生みの親である三重大学学長 内田淳正さんの挨拶。今回の議論に「市民、神宮への参詣者、観光客(人々)がお互いに語り合える広場(空間)を作っていただきたい。」と付け加え、次回の合同シンポジウム開催を約して閉会となった。
国立大学と私立大学の学間連携で、しかも最高学府の叡智が実社会に役立つのであればおおいに続けていただきたい。
ところで、今回のシンポジウムのターゲットは誰だったのだろう?
【 20131117 の記録 】
- 紅葉が始まった御幸道路
- 葭原神社と造替工事が開始された月讀宮
- 新御敷地にはまだ変化がない倭姫宮
- 第六十二回神宮式年遷宮展 Ⅰ「おおみやうつし」(神宮徴古館)
- 第1回 三重大学・皇學館大学合同シンポジウム「ご遷宮とまちづくり」